東京歴建の魅力

東京歴建の魅力をくわしくご紹介。

竹むら

昭和初期の風情が今も息づく東京歴建|甘味処『竹むら』の魅力

REKIKEN

 神田須田町を歩いていると、交差点角に凛と佇む建物があります。それが、1930年(昭和5年)創業の老舗甘味処『竹むら』です。近隣にある東京歴建『ぼたん』『いせ源』『神田まつや』と同様、東京大空襲を奇跡的に免れ、昭和初期の佇まいを残しています。

 2001年に東京都選定歴史的建造物(以下、東京歴建)に選ばれたほか、2003年には千代田区景観まちづくり重要物件にも指定されています。2024年にはNHKの連続テレビ小説『虎と翼』に登場する甘味処のモデルとなったことで、新たにお越しになるお客様も増えている同店舗の魅力に迫ります。
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竹むら 建物詳細ページ

東京都千代田区神田須田町1丁目19番地2 tel: 03-3251-2328

1930年創業の「竹むら」は、入母屋造りの木造3階建てが特徴的な甘味処です。屋根と庇により外観は4層に見え、2階欄干の竹と梅模様、「しるこ」と書かれた行燈など、昭和初期の意匠が随所に残ります。東京大空襲を免れた貴重な建物として、2001年に東京歴建に選定されています。

竹のように真っすぐ成長する『竹むら』の誕生

 『竹むら』が創業したのは1930年(昭和5年)。古き良き名店が軒を並べる神田須田町エリアで、「本格的な汁粉屋さんをつくりたい」という思いから、初代・堀田勇雄さんが開業しました。もともと堀田さんが本郷三丁目の『藤むら』というお店で和菓子職人をしていたことから「むら」の字を取り、竹のようにすくすく成長していけるようにと『竹むら』という店名にしたそうです。

 近隣の店舗同様、作家の池波正太郎先生が通ったことでも知られていますが、2024年に改めて多くの注目を集めることになりました。連続テレビ小説『虎と翼』に登場する甘味処のモデルになったこともあり、連日行列ができる人気店です。そんな東京歴建の特徴を見ていきましょう。
入母屋造りの木造3階建て。屋根と庇があることから外観は4層に見えるのが特徴です

匠の技と日々の心配り

 まずは外観から見ていきましょう。凛としていて、どこか厳かな印象も抱く佇まい。交差点の角地に建っていることから、この一帯の景観を特徴づけているようにも見えます。建物の周辺には植栽が配され、自然と建物が巧みに調和しています。庭石や石灯篭(いしとうろう)、竹垣がコンパクトなスペースにきれいに配置され、甘味処の上品さを演出しています。軒行燈(のきあんどん)や入口の看板は創業当時のものがそのまま残っています。
コンパクトなスペースに巧みに配された石灯篭と竹垣。軒行燈には「しるこ」の文字
 建物に近づくと隅々まで手入れが行き届いていることが分かるでしょう。建物自体には歴史を感じますが、大切に手入れされ続けていることが伝わってきます。なお、入口の上部にある明かり取りの窓がとても素敵なデザインとなっているので、お店の外からも中からもじっくりと観察してみてください。
入口上部の明かり取り窓。職人のこだわりが詰まった貴重な意匠
 道路を挟んで向かい側にはあんこう鍋で有名な『いせ源』の店舗があります。『いせ源』の2階座敷から、『竹むら』を借景に写真を撮る方も多いとのこと。道路から二つの店舗を眺めていると、昔にタイムスリップしたような感覚も味わえるでしょう。

竹を愛でる伝統の空間美

 続いて店内に入りましょう。店内にはテーブル席と小上がりの座敷があり、どちらも利用することができます。基本的には空いている席への案内となりますが、少し待つことができればテーブル席か座敷かを選ぶこともできるとのことです。
落ち着いた雰囲気の店内。テーブル席と小上がりの座敷で昔ながらの甘味処の風情を味わえる
 店内を見渡すと、天井や窓などあちこちの素材やデザインに「竹」が使われていることが分かります。一つひとつ異なる模様や意匠が施されているので注目してみてください。どれも創業当時からのもので、現在では入手困難だそうです。
店名の由来でもある『竹』の意匠が建物の随所に見られる
 店内を見て回ると、外観同様、隅々まで手入れが行き届いていることを感じます。三代目店主の堀田さんに伺うと、毎日開店前に1時間ほど掃除を行っているとのこと。堀田さんたちが我が子のように大切にしてきているからこそ、この雰囲気が守られているのだと感じます。

100年の時を超え、受け継がれる味と空間

 1930年に創業した『竹むら』は、2030年に築100年を迎えます。長い歴史を持つ建物ですが、細やかに行き届いた手入れから、本当に大切に守られてきたことが伝わってきます。そんな店内で提供している「おしるこ」「あわぜんざい」「揚げまんじゅう」などのメニューも、創業当時からの味を大切に守り続けているそうです。建物も料理も、昔から受け継がれてきたこだわりをぜひご堪能ください。
風情ある空間で伝統の甘味を

竹むら 建物詳細ページ

東京都千代田区神田須田町1丁目19番地2 tel: 03-3251-2328

1930年創業の「竹むら」は、入母屋造りの木造3階建てが特徴的な甘味処です。屋根と庇により外観は4層に見え、2階欄干の竹と梅模様、「しるこ」と書かれた行燈など、昭和初期の意匠が随所に残ります。東京大空襲を免れた貴重な建物として、2001年に東京歴建に選定されています。

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