渋沢栄一邸跡地に建つ、震災復興を象徴する建物
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『日証館』が建つこの場所には、かつて渋沢栄一の邸宅がありました。1923年の関東大震災により邸宅が全焼した後、1928年に東京株式取引所の付属施設として建設されたのが、東株ビルディング(現:日証館)です。震災後、焼け野原となった兜町では防火性や耐震性を高めた建物の建築が相次ぎ、『日証館』はその復興を象徴する建物の一つとなりました。
設計を手がけたのは、建築家・横河民輔が設立した横河工務所(現:横河建築設計事務所)です。三越日本橋本店や日本工業倶楽部会館など、多くの著名建築を手がけた同所の代表的な建築作品となっています。
耐震補強工事などリノベーションを重ねながら、竣工から100年近くが経った今でも外観・内装ともに維持管理されています。1947年、日本証券取引所の解散に伴い、証券取引所施設の賃貸・管理会社として平和不動産が設立され、『日証館』を所有するとともに本社を置きました。
震災復興を象徴する『日証館』。アーチ状の開口部が特徴的
