『小笠原伯爵邸』、レトロモダンへの入口
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都営大江戸線「若松河田駅」河田口から徒歩1分。
閑静な街並みに囲まれた『小笠原伯爵邸』は、内外観ともに美しく洗練された建物です。
建物が完成したのは昭和2年、旧小倉藩主であった小笠原家の30代当主・小笠原長幹の本邸としてつくられました。
スパニッシュ様式で構成された外観は、スペイン瓦や特性のタイルで壁面が装飾され、優美な雰囲気を醸し出しています。
設計したのは、当時最盛期を迎えていたといわれる、日本初かつ戦前最大の民間建築事務所「曽禰中條建築事務所(そねちゅうじょうけんちくじむしょ)」
かつて伯爵夫妻が過ごした小笠原伯爵邸ですが、戦後はGHQに接収されました。
その後、東京都が所有し福祉局中央児童相談所としての役割を担いましたが、その役割を終えた後は老朽化が進み、廃墟と化していました。
そこで「PFI(Private Finance Initiative)」(公共施設の建設や維持管理、運営などに民間の資金やノウハウを活用する手法)が採択され、公募により選定した民間事業者により、歴史的建造物として再生・利活用が図られることになりました。
このような経緯で、約1年半の修復工事期間を経て、2002年6月に『小笠原伯爵邸』は長い眠りから甦ったのです。
それでは早速、レトロモダンの世界に足を踏み入れてみましょう。